検察審査会法
昭和23・7・12・法律147号
改正昭和63・12・13・法律 93号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・8・法律151号−−
改正平成12・5・19・法律 74号−−
改正平成16・3・31・法律 8号−−
改正平成16・5・28・法律 62号(未)(施行=平21年5月21日)
改正平成17・5・25・法律 50号−−
改正平成18・6・7・法律 53号−−(施行=平19年4月1日)
改正平成19・5・30・法律 60号(未)(施行=平20年7月15日、平21年5月21日)
第1条 公訴権の実行に関し民意を反映せしめてその適正を図るため、政令で定める地方裁判所及び地方裁判所支部の所在地に検察審査会を置く。但し、検察審査会の数は、200を下つてはならず、且つ、各地方裁判所の管轄区域内に少くともその一を置かなければならない。
2 検察審査会の名称及び管轄区域は、政令でこれを定める。
第2条 検察審査会は、左の事項を掌る。
1.検察官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項
2.検察事務の改善に関する建議又は勧告に関する事項
2 検察審査会は、告訴若しくは告発をした者、請求を待つて受理すべき事件についての請求をした者又は犯罪により害を被つた者(犯罪により害を被つた者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹)の申立てがあるときは、前項第1号の審査を行わなければならない。
3 検察審査会は、その過半数による議決があるときは、自ら知り得た資料に基き職権で第1項第1号の審査を行うことができる。
第4条 検察審査会は、当該検察審査会の管轄区域内の衆議院議員の選挙権を有する者の中からくじで選定した11人の検察審査員を以てこれを組織する。
第5条 次に掲げる者は、検察審査員となることができない。
1.小学校を卒業しない者。ただし、小学校卒業と同等以上の学識を有する者は、この限りでない。
2.破産者で復権を得ないもの
3.1年の懲役又は禁錮以上の刑に処せられた者
第6条 次に掲げる者は、検察審査員の職務に就くことができない。
1.天皇、皇后、太皇太后、皇太后及び皇嗣
2.国務大臣
3.裁判官
4.検察官
5.会計検査院検査官
6.最高裁判所事務総長、最高裁判所長官秘書官、最高裁判所判事秘書官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、高等裁判所長官秘書官、裁判所調査官、裁判所事務官、裁判所書記官、裁判所速記官、家庭裁判所調査官、家庭裁判所調査官補、裁判所技官、執行官及び廷吏
7.中央更生保護審査会、地方更生保護委員会及び保護観察所の職員
8.法務省の官吏
9.検事総長秘書官、検察事務官、検察技官その他の検察庁の職員
10.検察審査会事務官
11.国家公安委員会委員、都道府県公安委員会委員及び警察職員
12.司法警察職員としての職務を行う者
13.自衛官
14.刑事施設の職員
15.経済調査官吏
16.収税官吏、税関官吏及び専売官吏
17.郵便電信電話鉄道及び軌道の現業に従事する者並びに船員
18.都道府県知事及び市町村長
19.弁護士及び弁理士
20.公証人及び司法書士
第7条 検察審査員は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。
1.検察審査員が被疑者又は被害者であるとき。
2.検察審査員が被疑者又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。
3.検察審査員が被疑者又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
4.検察審査員が被疑者又は被害者の同居人又は雇人であるとき。
5.検察審査員が事件について告発又は請求をしたとき。
6.検察審査員が事件について証人又は鑑定人となつたとき。
7.検察審査員が事件について被疑者の代理人又は弁護人となつたとき。
8.検察審査員が事件について検察官又は司法警察職員として職務を行つたとき。
第8条 左に掲げる者は、検察審査員の職務を辞することができる。
1.年齢60年以上の者
2.国会又は地方公共団体の議会の議員。但し、会期中に限る。
3.国会職員、官吏、公吏及び教員
4.学生及び生徒
5.重い疾病、海外旅行その他やむを得ない事由があつて検察審査会から職務を辞することの承認を受けた者
第9条 検察審査会事務局長は、毎年12月20日までに、検察審査員候補者の員数を当該検察審査会の管轄区域内の市町村に割り当て、これを市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
2 検察審査員候補者は、各検察審査会ごとに、第1乃至第4の4群に分ち、各群の員数は、それぞれ100人とする。
第10条 市町村の選挙管理委員会は、
前条の通知を受けたときは、衆議院議員の選挙に用いられる当該市町村の選挙人名簿に登録された者の中から、同条の規定により割り当てられた員数の倍数のそれぞれ第1群乃至第4群に属すべき検察審査員候補者の予定者をくじで選定し、各予定者について検察審査員としての資格を調査した後、その資格を有する予定者の中から同条の規定により割り当てられた員数のそれぞれ第1群乃至第4群に属すべき検察審査員候補者をくじで選定しなければならない。
2 前項の調査の結果その資格を有する予定者が割り当てられた検察審査員候補者の員数に足りないときは、その足りない員数についてこれを充足させるまで前項の規定を準用する。
3 市町村の選挙管理委員会は、第1項又は第2項の規定によりくじを行う日から、少くとも3日前にくじを行うべき場所及び日時を告示しなければならない。
4 第1項又は第2項の規定によりくじを行う場合においては、衆議院議員の選挙権を有する者は、これに立ち会うことができる。但し、立ち会う場合には少くとも3人が立ち会わなければならない。
5 市町村の選挙管理委員会は、第1項及び第2項の規定により選定された検察審査員候補者について、その氏名、住所及び生年月日を記載した検察審査員候補者名簿を調製しなければならない。
第11条 市町村の選挙管理委員会は、1月15日までに検察審査員候補者名簿を管轄検察審査会事務局に送付しなければならない。
2 市町村の選挙管理委員会は、検察審査員候補者名簿に登載された者にその旨を通知し、且つその氏名を告示しなければならない。
第12条 市町村の選挙管理委員会は、
前条の規定により検察審査員候補者名簿を送付した後、その候補者中死亡し、若しくは衆議院議員選挙権を有しなくなつた者があるとき、又は
第5条若しくは
第6条の各号の一に該当する一一に至つた者があるときは、遅滞なくこれを管轄検察審査会事務局に通知しなければならない。
第13条 検察審査会事務局長は、毎年1月31日に第1群検察審査員候補者の中から各5人の、4月30日に第2群検察審査員候補者の中から各6人の、7月31日に第3群検察審査員候補者の中から各5の、10月31日に第4群検察審査員候補者の中から各6人の検察審査員及び補充員をくじで選定しなければならない。
2 前項に掲げる日が検察審査会の休日に当たるときは、その日前においてその日に最も近い検察審査会の休日でない日に前項のくじを行わなければならない。
3 第1項のくじは、地方裁判所の判事、地方検察庁の検事及び関係市町村の長の補助機関である職員各1人の立会を以てこれを行わなければならない。この場合において、立会をした者は、検察審査員及び補充員の選定の証明をしなければならない。
第14条 検察審査員及び補充員の任期は、各〃6箇月とする。
第15条 第13条第1項の規定による検察審査員及び補充員の選定が了つたときは、その都度速やかに検察審査会議を開き、検察審査会長を互選しなければならない。この場合において検察審査会長が互選されるまでは、検察審査会事務局長が検察審査会長の職務を行う。
2 検察審査会長は、検察審査会議の議長となり、検察審査会の事務を掌理し、検察審査会事務官を指揮監督する。
3 検察審査会長の任期は、
第13条第1項の規定による次期の選定の行われる時までとする。
4 第1項の規定は、検察審査会長が欠け、又は職務の執行を停止された場合にこれを準用する。
5 前項に規定する場合を除くの外、検察審査会長に事故のあるときは、予め検察審査会の定める順序により他の検察審査員が臨時に検察審査会長の職務を行う。
第16条 地方裁判所長又は地方裁判所支部に勤務する裁判官は、
前条第1項の検察審査会議の開会前、検察審査員及び補充員に対し検察審査員の心得を論告し、これをして宣誓をさせなければならない。
2 宣誓は、宣誓書によりこれをしなければならない。
3 宣誓書には、良心に従い公平誠実にその職務を行うべきことを誓う旨を記載しなければならない。
4 地方裁判所長又は地方裁判所支部に勤務する裁判官は、起立して宣誓書を朗読し、検察審査員及び補充員をしてこれに署名押印させなければならない。
第17条 検察審査員は、禁錮以上の刑にあたる罪につき起訴されたときは、その判決確定に到るまで、その職務の執行を停止される。
第18条 検察審査員が欠けたとき、又は職務の執行を停止されたときは、検察審査会長は、補充員の中からくじで補欠の検察審査員を選定しなければならない。
2 前項のくじは、検察審査会事務官の立会を以てこれを行わなければならない。
2 検察審査会事務官は、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを命じ、検察審査会事務官の勤務する検事審査会は、最高裁判所の定めるところにより各地方裁判所がこれを定める。
3 最高裁判所は、各検察審査会の検察審査会事務官のうち1人に各検察審査会事務局長を命ずる。
4 検察審査会事務局長及びその他の検察審査会事務官は、検察審査会長の指揮監督を受けて、検察審査会の事務を掌る。
第21条 検察審査会、毎年3月、6月、9月及び12月の各15日に検察審査会議を開かねばならない。
2 検察審査会長は、特に必要があると認めるときは、いつでも検察審査会議を招集することができる。
3 第13条第2項の規定は、第1項の場合にこれを準用する。
第22条 検察審査会議の招集状は、検察審査会長が、検察審査員及び補充員全員に対してこれを発する。
第23条 検察審査員及び補充員に対する招集状には、出頭すべき日時、場所及び招集に応じないときは過料に処せられることがある旨を記載しなければならない。
第24条 検察審査員及び補充員は、疾病その他やむを得ない事由に因り招集に応ずることができない場合においては、当該会議期日における職務を辞することができる。この場合においては、書面でその事由を疏明しなければならない。
第25条 検察審査会は、検察審査員全員の出席がなければ、会議を開き議決することができない。
2 検察審査員が会議期日に出頭しないとき、又は
第34条の規定により除斥の議決があつたときは、検察審査会長は、補充員の中からくじで臨時に検察審査員の職務を行う者を選定しなければならない。
3 第18条第2項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第27条 検察審査会議の議事は、過半数でこれを決する。但し、起訴を相当とする議決をするには、8人以上の多数によらなければならない。
第28条 検察審査会議の議事については、会議録を作らなければならない。
第29条 検察審査員及び補充員には、政令の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を給する。但し、その額は、刑事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第41号)の規定により証人に給すべき額を下ることができない。
第30条 第2条第2項に掲げる者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官の属する検察庁の所在地を管轄する検察審査会にその処分の当否の審査の申立てをすることができる。ただし、裁判所法
第16条第4号に規定する事件並びに
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定に違反する罪に係る事件については、この限りでない。
第31条 審査の申立は、書面により、且つ申立の理由を明示しなければならない。
第32条 検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し検察審査会議の議決があつたときは、同一事件について更に審査の申立をすることはできない。
第33条 申立による審査の順序は、審査申立の順序による。但し、検察審査会長は、特に緊急を要するものと認めるときは、その順序を変更することができる。
2 職権による審査の順序は、検察審査会長が、これを定める。
第34条 検察審査会長は、検察審査員に対し被疑者の氏名、職業及び住居を告げ、その職務の執行から除斥される理由があるかないかを問わなければならない。
2 検察審査員は、除斥の理由があるとするときは、その旨の申立をしなければならない。
3 除斥の理由があるとするときは、検察審査会議は、除斥の議決をしなければならない。
第35条 検察官は、検察審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べなければならない。
第36条 検察審査会は、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第37条 検察審査会は、審査申立人及び証人を呼び出し、これを尋問することができる。
2 検察審査会は、証人がその呼出に応じないときは、当該検察審査会の所在地を管轄する簡易裁判所に対し、証人の召喚を請求することができる。
3 前項の請求があつたときは、裁判所は、召喚状を発しなければならない。
第38条 検察審査会は、相当と認める者の出頭を求め、法律その他の事項に関し専門的助言を徴することができる。
第38条の2 審査申立人は、検察審査会に意見書又は資料を提出することができる。
第39条 証人及び
第38条の規定により助言を徴せられた者には、政令の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を給する。ただし、その額は、
刑事訴訟費用等に関する法律の規定により証人に給すべき額を下ることができない。
第40条 検察審査会は、審査の結果議決をしたときは、理由を附した議決書を作成し、その謄本を当該検察官を指揮監督する検事正及び検察官適格審査会に送付し、その議決後7日間当該検察審査会事務局の掲示場に議決の要旨を掲示し、且つ、
第30条の規定による申立をした者があるときは、その申立にかかる事件についての議決の要旨をこれに通知しなければならない。
第41条 検事正は、
前条の規定により議決書謄本の送付があつた場合において、その議決を参考にし、公訴を提起すべきものと思料するときは、起訴の手続をしなければならない。
第42条 検察審査会は、いつでも、検察事務の改善に関し、検事正に建議又は勧告をすることができる。
第43条 検察審査員及び補充員は、左の場合においては、1万円以下の過料に処する。
1.正当な理由がなく招集に応じないとき。
2.宣誓を拒んだとき。
2 第37条第3項の規定により召喚を受けた証人が正当な理由がなく召喚に応じないときも、前項と同様とする。
第44条 検察審査員が会議の模様又は各員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、1万円以下の罰金に処する。
2 前項の事項を新聞紙その他の出版物に掲載したときは、新聞紙に在つては編集人及び発行人を、その他の出版物に在つては著作者及び発行者を2万円以下の罰金に処する。
第45条 第2条第1項第1号に規定する職務に関し、検察審査員に対し不正の請託をした者は、1年以下の懲役又は2万円以下の罰金に処する。
第45条の2 検察審査会の休日については、裁判所の休日に関する法律(昭和63年法律第93号)
第1条の規定を準用する。
第45条の3 第10条から第12条までの規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第46条 検察審査会に関する経費は、これを裁判所の経費の一部として国の予算に計上しなければならない。
第47条 地方自治法
第252条の19第1項の指定都市においては、この法律中市に関する規定は、区にこれを適用する。
第48条 この法律の施行に関し必要な規定は、政令でこれを定める。
