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最初

第3編 上 訴


第1章通 則(第351条〜第371条)
第2章控 訴(第372条〜第404条)
第3章上 告(第405条〜第418条)
第4章抗 告(第419条〜第434条)

最初第3編

第1章 通 則

 
第351条 検察官又は被告人は、上訴をすることができる。
 第266条第2号の規定により裁判所の審判に付された事件と他の事件とか併合して審判され、一個の裁判があつた場合には、第268条第2項の規定により検察官の職務を行う弁護士及び当該他の事件の検察官は、その裁判に対し各々独立して上訴をすることができる。
 
第352条 検察官又は被告人以外の者で決定を受けたものは、抗告をすることができる。
 
第353条 被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人のため上訴をすることができる。
 
第354条 勾留に対しては、勾留の理由の開示があつたときは、その開示の請求をした者も、被告人のため上訴をすることができる。その上訴を棄却する決定に対しても、同様である。
 
第355条 原審における代理人又は弁護人は、被告人のため上訴をすることができる。
 
第356条 前3条の上訴は、被告人の明示した意思に反してこれをすることができない。
 
第357条 上訴は、裁判の一部に対してこれをすることができる。部分を限らないで上訴をしたときは、裁判の全部に対してしたものとみなす。
 
第358条 上訴の提起期間は、裁判が告知された日から進行する。
 
第359条 検察官、被告人又は第352条に規定する者は、上訴の放棄又は取下をすることができる。
【則】第223条第223条の2第224条
 
第360条 第353条又は第354条に規定する者は、書面による被告人の同意を得て、上訴の放棄又は取下をすることができる。
【則】第224条の2
 
第360条の2 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に処する判決に対する上訴は、前2条の規定にかかわらず、これを放棄することができない。
 
第360条の3 上訴放棄の申立は、書面でこれをしなければならない。
 
第361条 上訴の放棄又は取下をした者は、その事件について更に上訴をすることができない。上訴の放棄又は取下に同意をした被告人も、同様である。
 
第362条 第351条乃至第355条の規定により上訴をすることができる者は、自己又は代人の責に帰することができない事由によつて上訴の提起期間内に上訴をすることができなかつたときは、原裁判所に上訴権回復の請求をすることができる。
 
第363条 上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。
【則】第225条第226条第227条
 上訴権回復の請求をする者は、その請求と同時に上訴の申立をしなければならない。
 
第364条 上訴権回復の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 
第365条 上訴権回復の請求があつたときは、原裁判所は、前条の決定をするまで裁判の執行を停止する決定をすることができる。この場合には、被告人に対し勾留状を発することができる。
 
第366条 刑事施設にいる被告人が上訴の提起期間内に上訴の申立書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したときは、上訴の提起期間内に上訴をしたものとみなす。
《改正》平17法050
 被告人が自ら申立書を作ることができないときは、刑事施設の長又はその代理者は、これを代書し、又は所属の職員にこれをさせなければならない。
《改正》平17法050
 
第367条 前条の規定は、刑事施設にいる被告人が上訴の放棄若しくは取下げ又は上訴権回復の請求をする場合にこれを準用する。
【則】第229条第236条
《改正》平17法050
 
第368条から第371条まで 削除
最初第3編

第2章 控 訴

 
第372条 控訴は、地方裁判所又は簡易裁判所がした第一審の判決に対してこれをすることができる。
《改正》平20法071
 
第373条 控訴の提起期間は、14日とする。
 
第374条 控訴をするには、申立書を第一審裁判所に差し出さなければならない。
 
第375条 控訴の申立が明らかに控訴権の消滅後にされたものであるときは、第一審裁判所は、決定でこれを棄却しなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 
第376条 控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならない。
 控訴趣意書には、この法律又は裁判所の規則の定めるところにより、必要な疎明資料又は検察官若しくは弁護人の保証書を添附しなければならない。
 
第377条 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。
1.法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。
2.法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
3.審判の公開に関する規定に違反したこと。
 
第378条 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
1.不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
2.不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
3.審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
4.判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。
 
第379条 前2条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
 
第380条 法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その誤及びその誤が明らかに判決に影響を及ぼすべきことを示さなければならない。
 
第381条 刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて刑の量定が不当であることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
 
第382条 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
 
第382条の2 やむを得ない事由によつて第一審の弁論終結前に取調を請求することができなかつた証拠によつて証明することのできる事実であつて前2条に規定する控訴申立の理由があることを信ずるに足りるものは、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実以外の事実であつても、控訴趣意書にこれを援用することができる。
 第1審の弁論終結後判決前に生じた事実であつて前2条に規定する控訴申立の理由があることを信ずるに足りるものについても、前項と同様である。
 前2項の場合には、搾訴趣意書に、その事実を疎明する資料を添附しなければならない。第1項の場合には、やむを得ない事由によつてその証拠の取調を請求することができなかつた旨を疎明する資料をも添附しなければならない。
 
第383条 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。
1.再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
2.判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。
 
第384条 控訴の申立は、第377条乃至第382条及び前条に規定する事由があることを理由とするときに限り、これをすることができる。
 
第385条 控訴の申立が法令上の方式に違反し、又は控訴権の消滅後にされたものであることが明らかなときは、控訴裁判所は、決定でこれを棄却しなければならない。
 前項の決定に対しては、第428条第2項の異議の申立をすることができる。この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。
 
第386条 左の場合には、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない。
1.第376条第1項に定める期間内に控訴趣意書を差し出さないとき。
2.控訴趣意書がこの法律若しくは裁判所の規則で定める方式に違反しているとき、又は控訴趣意書にこの法律若しくは裁判所の規則の定めるところに従い必要な疎明資料若しくは保証書を添附しないとき。
3.控訴趣意書に記載された控訴の申立の理由が、明らかに第377条乃至第382条及び第383条に規定する事由に該当しないとき。
 前条第2項の規定は、前項の決定についてこれを準用する。
 
第387条 控訴審では、弁護士以外の者を弁護人に選任することはできない。
 
第388条 控訴審では、被告人のためにする弁論は、弁護人でなければ、これをすることができない。
 
第389条 公判期日には、検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基いて弁論をしなければならない。
 
第390条 控訴審においては、被告人は、公判期日に出頭することを要しない。ただし、裁判所は、50万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、5万円)以下の罰金又は科料に当たる事件以外の事件について、被告人の出頭がその権利の保護のため重要であると認めるときは、被告人の出頭を命ずることができる。
 
第391条 弁護人が出頭しないとき、又は弁護人の選任がないときは、この法律により弁護人を要する場合又は決定で弁護人を附した場合を除いては、検察官の陳述を聴いて判決をすることができる。
 
第392条 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。
 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、第377条乃至第382条及び第383条に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。
 
第393条 控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。但し、第382条の2の疎明があつたものについては、刑の量定の不当又は判決に影響を及ぼすべき事実の誤認を証明するために欠くことのできない場合に限り、これを取り調べなければならない。
 控訴裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。
 前2項の取調は、合議体の構成員にこれをさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
 第1項又は第2項の規定による取調をしたときは、検察官及び弁護人は、その結果に基いて弁論をすることができる。
 
第394条 第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。
 
第395条 控訴の申立が法令上の方式に違反し、又は控訴権の消滅後にされたものであるときは、判決で控訴を棄却しなければならない。
 
第396条 第377条乃至第382条及び第383条に規定する事由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない。
 
第397条 第377条乃至第382条及び第383条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。
 第393条第2項の規定による取調の結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
 
第398条 不法に、管轄違を言い渡し、又は公訴を棄却したことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を原裁判所に差し戻さなければならない。
 
第399条 不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄第1審裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、その事件について第一審の管轄権を有するときは、第一審として審判をしなければならない。
 
第400条 前2条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、又は原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、控訴裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び控訴裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。
 
第401条 被告人の利益のため原判決を破棄する場合において、破棄の理由が控訴をした共同被告人に共通であるときは、その共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。
 
第402条 被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
 
第403条 原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかつたときは、決定で公訴を棄却しなければならない。
 第385条第2項の規定は、前項の決定についてこれを準用する。
 
第403条の2 即決裁判手続においてされた判決に対する控訴の申立ては、第384条の規定にかかわらず、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第382条に規定する事由があることを理由としては、これをすることができない。
《追加》平16法062
 原裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、第397条第1項の規定にかかわらず、控訴裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第382条に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。
《追加》平16法062
 
第404条 第2編中公判に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、控訴の審判についてこれを準用する。
最初第3編

第3章 上 告

 
第405条 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
1.憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
2.最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
3.最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
 
第406条 最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。
【則】第247条第248条第249条第254条第255条第257条第258条第258条の2第258条の3第259条第260条第261条第262条第263条第264条
 
第407条 上告趣意書には、裁判所の規則の定めるところにより、上告の申立の理由を明示しなければならない。
 
第408条 上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。
 
第409条 上告審においては、公判期日に被告人を召喚することを要しない。
【則】第265条
 
第410条 上告裁判所は、第405条各号に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。但し、判決に影響を及ぼさないことが明らかな場合は、この限りでない。
 第405条第2号又は第3号に規定する事由のみがある場合において、上告裁判所がその判例を変更して原判決を維持するのを相当とするときは、前項の規定は、これを適用しない。
 
第411条 上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
1.判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。
2.刑の量定が甚しく不当であること。
3.判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
4.再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
5.判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。
 
第412条 不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄控訴裁判所又は管轄第一審裁判所に移送しなければならない。
 
第413条 前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、上告裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び第一審裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。
 
第413条の2 第一審裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、第411条の規定にかかわらず、上告裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について同条第3号に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない。
《追加》平16法062
 
第414条 前章の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。
【則】第252条
 
第415条 上告裁判所は、その判決の内容に誤のあることを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。
【則】第267条第268条第269条
 前項の申立は、判決の宣告があつた日から10日以内にこれをしなければならない。
 上告裁判所は、適当と認めるときは、第1項に規定する者の申立により、前項の期間を延長することができる。
 
第416条 訂正の判決は、弁論を経ないでもこれをすることができる。
【則】第270条
 
第417条 上告裁判所は、訂正の判決をしないときは、速やかに決定で申立を棄却しなければならない。
 訂正の判決に対しては、第415条第1項の申立をすることはできない。
 
第418条 上告裁判所の判決は、宣告があつた日から第415条の期間を経過したとき、又はその期間内に同条第1項の申立があつた場合には訂正の判決若しくは申立を棄却する決定があつたときに、確定する。
最初第3編

第4章 抗 告

 
第419条 抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。
 
第420条 裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。
 前項の規定は、勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については、これを適用しない。
 勾留に対しては、前項の規定にかかわらず、犯罪の嫌疑がないことを理由として抗告をすることはできない。
 
第421条 抗告は、即時抗告を除いては、何時でもこれをすることができる。但し、原決定を取り消しても実益がないようになつたときは、この限りでない。
 
第422条 即時抗告の提起期間は、3日とする。
 
第423条 抗告をするには、申立書を原裁判所に差し出さなければならない。
 原裁判所は、抗告を理由があるものと認めるときは、決定を更正しなければならない。抗告の全部又は一部を理由がないと認めるときは、申立書を受け取つた日から3日以内に意見書を添えて、これを抗告裁判所に送付しなければならない。
 
第424条 抗告は、即時抗告を除いては、裁判の執行を停止する効力を有しない。但し、原裁判所は、決定で、抗告の裁判があるまで執行を停止することができる。
 抗告裁判所は、決定で裁判の執行を停止することができる。
 
第425条 即時抗告の提起期間内及びその申立があつたときは、裁判の執行は、停止される。
 
第426条 抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定で抗告を棄却しなければならない。
 抗告が理由のあるときは、決定で原決定を取り消し、必要がある場合には、更に裁判をしなければならない。
 
第427条 抗告裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。
 
第428条 高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。
 即時抗告をすることができる旨の規定がある決定並びに第419条及び第420条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。
 前項の異議の申立に関しては、抗告に関する規定を準用する。即時抗告をすることができる旨の規定がある決定に対する異議の申立に関しては、即時抗告に関する規定をも準用する。
 
第429条 裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
1.忌避の申立を却下する裁判
2.勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
3.鑑定のため留置を命ずる裁判
4.証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
5.身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
 第420条第3項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
 第1項の請求を受けた地方裁判所又は家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。
 第1項第4号又は第5号の裁判の取消又は変更の請求は、その裁判のあつた日から3日以内にこれをしなければならない。
 前項の請求期間内及びその請求があつたときは、裁判の執行は、停止される。
 
第430条 検察官又は検察事務官のした第39条第3項の処分又は押収若しくは押収物の還付に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。
 司法警察職員のした前項の処分に不服がある者は、司法警察職員の職務執行地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にその処分の取消又は変更を請求することができる。
 前2項の請求については、行政事件訴訟に関する法令の規定は、これを適用しない。
 
第431条 前2条の請求をするには、請求書を管轄裁判所に差し出さなければならない。
 
第432条 第424条第426条及び第427条の規定は、第429条及び第430条の請求があつた場合にこれを準用する。
 
第433条 この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、第405条に規定する事由があることを理由とする場合に限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
【則】第274条第275条
 前項の抗告の提起期間は、5日とする。
 
第434条 第423条第424条及び第426条の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、前条第1項の抗告についてこれを準用する。
最初

第4編 再 審

 
第435条 再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
1.原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
2.原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
3.有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
4.原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
5.特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
6.有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
7.原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
 
第436条 再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
1.前条第1号又は第2号に規定する事由があるとき。
2.原判決又はその証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官について前条第7号に規定する事由があるとき。
 第一審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、控訴棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。
 第一審又は第二審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、上告棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。
 
第437条 前2条の規定に従い、確定判決により犯罪が証明されたことを再審の請求の理由とすべき場合において、その確定判決を得ることができないときは、その事実を証明して再審の請求をすることができる。但し、証拠がないという理由によつて確定判決を得ることができないときは、この限りでない。
 
第438条 再審の請求は、原判決をした裁判所がこれを管轄する。
 
第439条 再審の請求は、左の者がこれをすることができる。
1.検察官
2.有罪の言渡を受けた者
3.有罪の言渡を受けた者の法定代理人及び保佐人
4.有罪の言渡を受けた者が死亡し、又は心神喪失の状態に在る場合には、その配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹
 第435条第7号又は第436条第1項第2号に規定する事由による再審の請求は、有罪の言渡を受けた者がその罪を犯させた場合には、検察官でなければこれをすることができない。
 
第440条 検察官以外の者は、再審の請求をする場合には、弁護人を選任することができる。
 前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。
 
第441条 再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。
 
第442条 再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。但し、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。
 
第443条 再審の請求は、これを取り下げることができる。
 再審の請求を取り下げた者は、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることができない。
 
第444条 第366条の規定は、再審の請求及びその取下についてこれを準用する。
 
第445条 再審の請求を受けた裁判所は、必要があるときは、合議体の構成員に再審の請求の理由について、事実の取調をさせ、又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
 
第446条 再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。
 
第447条 再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。
 前項の決定があつたときは、何人も、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることはできない。
 
第448条 再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。
 再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。
 
第449条 控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審の判決をしたときは、控訴裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。
 第一審又は第二審の判決に対する上告を棄却した判決とその判決によつて確定した第一審又は第二審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所又は控訴裁判所が再審の判決をしたときは、上告裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。
 
第450条 第446条第447条第1項、第448条第1項又は前条第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 
第451条 裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、第449条の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければならない。
 左の場合には、第314条第1項本文及び第339条第1項第4号の規定は、前項の審判にこれを適用しない。
1.死亡者又は回復の見込がない心神喪失者のために再審の請求がされたとき。
2.有罪の言渡を受けた者が、再審の判決がある前に、死亡し、又は心神喪失の状態に陥りその回復の見込がないとき。
 前項の場合には、被告人の出頭がなくても、審判をすることができる。但し、弁護人が出頭しなければ開廷することはできない。
 第2項の場合において、再審の請求をした者が弁護人を選任しないときは、裁判長は、職権で弁護人を附しなければならない。
 
第452条 再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
 
第453条 再審において無罪の言渡をしたときは、官報及び新聞紙に掲載して、その判決を公示しなければならない。
最初

第5編 非常上告

 
第454条 検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。
 
第455条 非常上告をするには、その理由を記載した申立書を最高裁判所に差し出さなければならない。
 
第456条 公判期日には、検察官は、申立書に基いて陳述をしなければならない。
 
第457条 非常上告が理由のないときは、判決でこれを棄却しなければならない。
 
第458条 非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。
1.原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。
2.訴訟手続が法令に違反したときは、その違反した手続を破棄する。
 
第459条 非常上告の判決は、前条第1号但書の規定によりされたものを除いては、その効力を被告人に及ぼさない。
 
第460条 裁判所は、申立書に包含された事項に限り、調査をしなければならない。
 裁判所は、裁判所の管轄、公訴の受理及び訴訟手続に関しては、事実の取調をすることができる。この場合には、第393条第3項の規定を準用する。
最初

第6編 略式手続

 
第461条 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。
《改正》平18法036
 
第461条の2 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
【則】第288条
 被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。
 
第462条 略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。
 前項の書面には、前条第2項の書面を添附しなければならない。
 
第463条 前条の請求があつた場合において、その事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。
【則】第292条
 検察官が、第461条の2に定める手続をせず、又は前条第2項に違反して略式命令を請求したときも、前項と同様である。
 裁判所は、前2項の規定により通常の規定に従い審判をするときは、直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。
 第1項及び第2項の場合には、第271条の規定の適用があるものとする。但し、同条第2項に定める期間は、前項の通知があつた日から2箇月とする。
 
第463条の2 前条の場合を除いて、略式命令の請求があつた日から4箇月以内に略式命令が被告人に告知されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。
 前項の場合には、裁判所は、決定で、公訴を棄却しなければならない。略式命令が既に検察官に告知されているときは、略式命令を取り消した上、その決定をしなければならない。
 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 
第464条 略式命令には、罪となるべき事実、適用した法令、科すべき刑及び附随の処分並びに略式命令の告知があつた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる旨を示さなければならない。
 
第465条 略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる。
 正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に、書面でこれをしなければならない。正式裁判の請求があつたときは、裁判所は、速やかにその旨を検察官又は略式命令を受けた者に通知しなければならない。
 
第466条 正式裁判の請求は、第一審の判決があるまでこれを取り下げることができる。
 
第467条 第353条第355条乃至第357条第359条第360条及び第361条乃至第365条の規定は、正式裁判の請求又はその取下についてこれを準用する。
 
第468条 正式裁判の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。この決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 正式裁判の請求を適法とするときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。
 前項の場合においては、略式命令に拘束されない。
 
第469条 正式裁判の請求により判決をしたときは、略式命令は、その効力を失う。
 
第470条 略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも、同様である。
最初

第7編 裁判の執行

 
第471条 裁判は、この法律に特別の定のある場合を除いては、確定した後これを執行する。
 
第472条 裁判の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、第70条第1項但書の場合、第108条第1項但書の場合その他その性質上裁判所又は裁判官が指揮すべき場合は、この限りでない。
 上訴の裁判又は上訴の取下により下級の裁判所の裁判を執行する場合には、上訴裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、訴訟記録が下級の裁判所又はその裁判所に対応する検察庁に在るときは、その裁判所に対応する検察庁の検察官が、これを指揮する。
 
第473条 裁判の執行の指揮は、書面でこれをし、これに裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を添えなければならない。但し、刑の執行を指揮する場合を除いては、裁判書の原本、謄本若しくは抄本又は裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本に認印して、これをすることができる。
 
第474条 2以上の主刑の執行は、罰金及び科料を除いては、その重いものを先にする。但し、検察官は、重い刑の執行を停止して、他の刑の執行をさせることができる。
 
第475条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。
 
第476条 法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない。
 
第477条 死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。
《改正》平17法050
 検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。
《改正》平17法050
 
第478条 死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。
《改正》平17法050
 
第479条 死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。
 死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。
 前2項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。
 第475条第2項の規定は、前項の命令についてこれを準用する。この場合において、判決確定の日とあるのは、心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。
 
第480条 懲役、禁錮又は拘留の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡を受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて、その状態が回復するまで執行を停止する。
 
第481条 前条の規定により刑の執行を停止した場合には、検察官は、刑の言渡を受けた者を監護義務者又は地方公共団体の長に引き渡し、病院その他の適当な場所に入れさせなければならない。
 刑の執行を停止された者は、前項の処分があるまでこれを刑事施設に留置し、その期間を刑期に算入する。
《改正》平17法050
 
第482条 懲役、禁錮又は拘留の言渡を受けた者について左の事由があるときは、刑の言渡をした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡を受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて執行を停止することができる。
1.刑の執行によつて、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできない虞があるとき。
2.年齢70年以上であるとき。
3.受胎後150日以上であるとき。
4.出産後60日を経過しないとき。
5.刑の執行によつて回復することのできない不利益を生ずる虞があるとき。
6.祖父母又は父母が年齢70年以上又は重病若しくは不具で、他にこれを保護する親族がないとき。
7.子又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき。
8.その他重大な事由があるとき。
 
第483条 第500条に規定する申立の期間内及びその申立があつたときは、訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行は、その申立についての裁判が確定するまで停止される。
 
第484条 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者が拘禁されていないときは、検察官は、執行のためこれを呼び出さなければならない。呼出しに応じないときは、収容状を発しなければならない。
《改正》平17法050
 
第485条 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は司法警察員にこれを発せしめることができる。
《改正》平17法050
 
第486条 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。
《改正》平17法050
 請求を受けた検事長は、その管内の検察官に収容状を発せしめなければならない。
《改正》平17法050
 
第487条 収容状には、刑の言渡しを受けた者の氏名、住居、年齢、刑名、刑期その他収容に必要な事項を記載し、検察官又は司法警察員が、これに記名押印しなければならない。
《改正》平17法050
 
第488条 収容状は、勾引状と同一の効力を有する。
《改正》平17法050
 
第489条 収容状の執行については、勾引状の執行に関する規定を準用する。
《改正》平17法050
 
第490条 罰金、科料、没収、追徴、過料、没取、訴訟費用、費用賠償又は仮納付の裁判は、検察官の命令によつてこれを執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
 前項の裁判の執行は、民事執行法(昭和54年法律第4号)その他強制執行の手続に関する法令の規定に従つてする。ただし、執行前に裁判の送達をすることを要しない。
 
第491条 没収又は租税その他の公課若しくは専売に関する法令の規定により言い渡した罰金若しくは追徴は、刑の言渡を受けた者が判決の確定した後死亡した場合には、相続財産についてこれを執行することができる。
 
第492条 法人に対して罰金、科料、没収又は追徴を言い渡した場合に、その法人が判決の確定した後合併によつて消滅したときは、合併の後存続する法人又は合併によつて設置された法人に対して執行することができる。
 
第493条 第一審と第二審とにおいて、仮納付の裁判があつた場合に、第一審の仮納付の裁判について既に執行があつたときは、その執行は、これを第二審の仮納付の裁判で納付を命ぜられた金額の限度において、第二審の仮納付の裁判についての執行とみなす。
 前項の場合において、第一審の仮納付の裁判の執行によつて得た金額か第二審の仮納付の裁判で納付を命ぜられた金額を超えるときは、その超過額は、これを還付しなければならない。
 
第494条 仮納付の裁判の執行があつた後に、罰金、科料又は追徴の裁判が確定したときは、その金額の限度において刑の執行があつたものとみなす。
 前項の場合において、仮納付の裁判の執行によつて得た金額が罰金、科料又は追徴の金額を超えるときは、その超過額は、これを還付しなければならない。
 
第495条 上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
 上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
1.検察官が上訴を申し立てたとき。
2.検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
 前2項の規定による通算については、未決勾留の1日を刑期の1日又は金額の4千円に折算する。
 上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。
 
第496条 没収物は、検察官がこれを処分しなければならない。
 
第497条 没収を執行した後3箇月以内に、権利を有する者が没収物の交付を請求したときは、検察官は、破壊し、又は廃棄すべき物を除いては、これを交付しなければならない。
 没収物を処分した後前項の請求があつた場合には、検察官は、公売によつて得た代価を交付しなければならない。
 
第498条 偽造し、又は変造された物を返還する場合には、偽造又は変造の部分をその物に表示しなければならない。
 偽造し、又は変造された物が押収されていないときは、これを提出させて、前項に規定する手続をしなければならない。但し、その物が公務所に属するときは、偽造又は変造の部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならない。
 
第499条 押収物の還付を受けるべき者の所在が判らないため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。
 公告をしたときから6箇月以内に還付の請求がないときは、その物は、国庫に帰属する。
 前項の期間内でも、価値のない物は、これを廃棄し、保管に不便な物は、これを公売してその代価を保管することができる。
 
第500条 訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困のためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用の全部又は一部について、その裁判の執行の免除の申立をすることができる。
【則】第295条第295条の2第295条の3第295条の4第295条の5
 前項の申立は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が確定した後20日以内にこれをしなければならない。
 
第500条の2 被告人又は被疑者は、検察官に訴訟費用の概算額の予納をすることができる。
《追加》平16法062
 
第500条の3 検察官は、訴訟費用の裁判を執行する場合において、前条の規定による予納がされた金額があるときは、その予納がされた金額から当該訴訟費用の額に相当する金額を控除し、当該金額を当該訴訟費用の納付に充てる。
《追加》平16法062
 前項の規定により予納がされた金額から訴訟費用の額に相当する金額を控除して残余があるときは、その残余の額は、その予納をした者の請求により返還する。
《追加》平16法062
 
第500条の4 次の各号のいずれかに該当する場合には、第500条の2の規定による予納がされた金額は、その予納をした者の請求により返還する。
1.第38条の2の規定により弁護人の選任が効力を失つたとき。
2.訴訟手続が終了する場合において、被告人に訴訟費用の負担を命ずる裁判がなされなかつたとき。
3.訴訟費用の負担を命ぜられた者が、訴訟費用の全部について、その裁判の執行の免除を受けたとき。
《追加》平16法062
 
第501条 刑の言渡を受けた者は、裁判の解釈について疑があるときは、言渡をした裁判所に裁判の解釈を求める申立をすることができる。
 
第502条 裁判の執行を受ける者又はその法定代理人若しくは保佐人は、執行に関し検察官のした処分を不当とするときは、言渡をした裁判所に異議の申立をすることができる。
 
第503条 第500条及び前2条の申立ては、決定があるまでこれを取り下げることができる。
《改正》平16法062
 第366条の規定は、第500条及び前2条の申立て及びその取下げについてこれを準用する。
《改正》平16法062
 
第504条 第500条、第501条及び第502条の申立てについてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
《改正》平16法062
 
第505条 罰金又は科料を完納することができない場合における労役場留置の執行については、刑の執行に関する規定を準用する。
 
第506条 第490条第1項の裁判の執行の費用は、執行を受ける者の負担とし、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、執行と同時にこれを取り立てなければならない。
 
第507条 検察官又は裁判所若しくは裁判官は、裁判の執行に関して必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
《追加》平13法139

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