予防接種法
昭和23・6・30・法律 68号
改正平成6・6・29・法律 51号−−
改正平成6・7・1・法律 84号−−
改正平成6・7・1・法律 84号−−
改正平成11・7・16・法律 87号−−
改正平成11・12・8・法律151号−−
改正平成11・12・22・法律160号−−
改正平成13・3・30・法律 9号−−
改正平成13・11・7・法律116号−−
改正平成14・12・20・法律192号−−
改正平成18・12・8・法律106号−−(施行=平19年4月1日)
第1条 この法律は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延を予防するために、予防接種を行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。
第2条 この法律において「予防接種」とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。
2 その発生及びまん延を予防することを目的として、この法律の定めるところにより予防接種を行う疾病(以下「一類疾病」という。)は、次に掲げるものとする。
1.ジフテリア
2.百日せき
3.急性灰白髄炎
4.麻しん
5.風しん
6.日本脳炎
7.破傷風
8.結核
9.前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病
3 個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的として、この法律の定めるところにより予防接種を行う疾病(以下「2類疾病」という。)は、インフルエンザとする。
4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。
第3条 市町村長は、1類疾病及び2類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であつて政令で定めるものに対し、保健所長〔特別区及び地域保健法(昭和22年法律第101号)
第5条第1項の規定に基づく政令で定める市(
第9条において「保健所を設定する市」という。)にあつては、都道府県知事とする。〕の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。
3 前項の規定による指定があつたときは、その区域の全部が当該指定に係る区域に含まれる市町村の長は、第1項の規定にかかわらず、当該指定に係る疾病について予防接種を行うことを要しない。
第6条 都道府県知事は、1類疾病及び2類疾病のうち厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、臨時に予防接種を行い、又は市町村長に行うよう指示することができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する疾病のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、同項の予防接種を都道府県知事に行わせることができる。
第7条 市町村長又は都道府県知事は、
第3条第1項又は前条第1項に規定する予防接種を行うに当たつては、当該予防接種を受けようとする者について、厚生労働省令で定める方法により健康状態を調べ、当該予防接種を受けることが適当でない者として厚生労働省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該予防接種を行つてはならない。
第8条 第3条第1項に規定する予防接種であつて一類疾病に係るもの又は
第6条第1項に規定する予防接種の対象者は、
第3条第1項に規定する予防接種(当該予防接種に相当する予防接種であつて、市町村長以外の者により行われるものを含む。以下「定期の予防接種」という。)であつて1類疾病に係るもの又は
第6条第1項に規定する予防接種(当該予防接種に相当する予防接種であつて、同項の規定による指定があつた日以後当該指定に係る期日又は期間の満了の日までの間に都道府県知事及び市町村長以外の者により行われるものを含む。以下「臨時の予防接種」という。)を受けるよう努めなければならない。
2 第3条第1項に規定する予防接種であつて1類疾病に係るもの又は
第6条第1項に規定する予防接種の対象者が16歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であつて1類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第9条 都道府県知事又は保健所を設置する市若しくは特別区の長は、
第3条第1項又は
第6条第1項に規定する予防接種の実施事務を保健所長に委任することができる。
第10条 この章に規定するもののほか、予防接種の受施に係る公告、周知、記録及び報告に関して必要な事項は政令で、その他予防接種の実施に関して必要な事項は厚生労働省令で定める。
第11条 市町村長は、当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種又は臨時の予防接種を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該予防接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、次条及び
第13条に定めるところにより、給付を行う。
2 厚生労働大臣は、前項の認定を行うに当たつては、審議会等(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)
第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
第12条 1類疾病に係る定期の予防接種若しくは臨時の予防接種又は2類疾病に係る臨時の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第1項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。
1.医療費及び医療手当
予防接種を受けたことによる疾病について医療を受ける者
2.障害児養育年金
予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者
3.障害年金
予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者
4.死亡一時金
予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
5.葬祭料
予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者
2 2類疾病に係る定期の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第1項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。
1.医療費及び医療手当 予防接種を受けたことによる疾病について政令で定める程度の医療を受ける者
2.障害児養育年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者
3.障害年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者
4.遺族年金又は遺族一時金 予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
5.葬祭料 予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者
第13条 前条に定めるもののほか、第11条第1項の規定による給付(以下「給付」という。)の額、支給方法その他給付に関して必要な事項は、政令で定める。
2 前条第2項第1号から第4号までの政令及び同項の規定による給付に係る前項の規定に基づく政令は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)
第15条第1項第1号イに規定する副作用救済給付に係る同法
第16条第1項第1号から第4号までの政令及び同条第3項の規定に基づく政令の規定を参酌して定めるものとする。
第14条 市町村長は、給付を受けるべき者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、給付を行わないことができる。
2 市町村長は、給付を受けた者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、その受けた給付の額に相当する金額を返還させることができる。
第15条 市町村長は、偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、国税徴収の例により、その者から、その受けた給付の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第16条 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
第17条 租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
第18条 国は、
第12条第1項第1号から第3号まで又は同条第2項第1号から第3号までに掲げる給付の支給に係る者であつて居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。
第19条 国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する知識の普及を図るものとする。
2 国は、予防接種による健康被害の発生を予防するため、予防接種事業に従事する者に対する研修の実施等必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、予防接種による健康被害の発生状況に関する調査その他予防接種の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行うものとする。
第20条 厚生労働大臣は、1類疾病及び2類疾病のうち、特に総合的に予防接種を推進する必要があるものとして厚生労働省令で定めるものについて、当該疾病に応じた予防接種の推進を図るための指針(以下この条において「指針」という。)を定めなければならない。
2 指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
1.当該疾病に係る予防接種の意義、有効性及び安全性に関する事項
2.当該疾病に係る予防接種に関する啓発及び知識の普及に関する事項
3.当該疾病に係る予防接種の適正な実施のための方策に関する事項
4.当該疾病に係る予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する事項
5.当該疾病に係る予防接種に関する国際的な連携に関する事項
6.その他当該疾病に係る予防接種の推進に関する重要事項
3 当該疾病について感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第11条第1項の規定により同項に規定する特定感染症予防指針が作成されるときは、指針は、当該特定感染症予防指針と一体のものとして定められなければならない。
4 厚生労働大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第21条 この法律の定めるところにより予防接種を行うために要する費用は、市町村(
第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)の支弁とする。
第22条 都道府県は、政令の定めるところにより、前条第1項の規定により市町村の支弁する額(第6条第1項の規定による予防接種に係るものに限る。)の3分の2を負担する。
2 都道府県は、政令の定めるところにより、前条第2項の規定により市町村の支弁する額の4分の3を負担する。
第23条 国庫は、政令の定めるところにより、
第21条第1項の規定により都道府県の支弁する額及び前条第1項の規定により都道府県の負担する額の2分の1を負担する。
2 国庫は、前条第2項の規定により都道府県の負担する額の3分の2を負担する。
第24条 第3条第1項の規定による予防接種を行つた者は、予防接種を受けた者又はその保護者から、政令の定めるところにより、実費を徴収することができる。ただし、これらの者が、経済的理由により、その費用を負担することができないと認めるときはこの限りでない。
第25条 第6条の規定により都道府県が処理することとされている事務並びに同条第1項、
第11条第1項、
第14条及び
第15条第1項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)
第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
