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裁判所法

【目次】
  昭和22・4・16・法律 59号  
改正昭和41・3・31・法律 23号--
改正昭和41・7・1・法律111号--
改正昭和45・5・18・法律 67号--
改正昭和57・8・24・法律 82号--(施行=昭57年9月1日)
改正平成7・4・19・法律 66号--(施行=平7年10月18日)
改正平成10・5・6・法律 50号--(施行=平11年4月1日)
改正平成12・12・6・法律142号--(施行=平13年4月1日)
改正平成14・12・6・法律138号--(施行=平18年4月1日)
改正平成15・7・16・法律109号--(施行=平16年4月1日)
改正平成15・7・25・法律128号--(施行=平16年4月1日)
改正平成16・3・31・法律  8号--(施行=平16年4月1日)
改正平成16・6・18・法律120号--(施行=平17年4月1日)
改正平成16・12・10・法律163号==(施行=平22年11月1日)
改正平成17・7・15・法律 83号--(施行=平19年4月1日)
改正平成18・5・8・法律 36号--(施行=平18年5月28日)
改正平成20・6・18・法律 71号--(施行=平20年12月15日)
改正平成22・12・3・法律 64号--(施行=平22年12月3日)
改正平成23・5・25・法律 53号--(施行=平25年1月1日)
改正平成24・8・3・法律 54号--(施行=平24年8月3日、11月3日)
改正平成25・6・19・法律 48号--(施行=平26年4月1日)
【LINK】最高裁判所
《分野》法務-裁判-裁判所

第1編 総 則

(この法律の趣旨)
第1条 日本国憲法に定める最高裁判所及び下級裁判所については、この法律の定めるところによる。
(下級裁判所)
第2条 下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所とする。
 下級裁判所の設立、廃止及び管轄区域は、別に法律でこれを定める。
(裁判所の権限)
第3条 裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。
 前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。
 この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。
(上級審の裁判の拘束力)
第4条 上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。
(裁判官)
第5条 最高裁判所の裁判官は、その長たる裁判官を最高裁判所長官とし、その他の裁判官を最高裁判所判事とする。
 下級裁判所の裁判官は、高等裁判所の長たる裁判官を高等裁判所長官とし、その他の裁判官を判事、判事補及び簡易裁判所判事とする。
 最高裁判所判事の員数は、14人とし、下級裁判所の裁判官の員数は、別に法律でこれを定める。

第2編 最高裁判所

(所在地)
第6条 最高裁判所は、これを東京都に置く。
(裁判権)
第7条 最高裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
一 上告
二 訴訟法において特に定める抗告
(その他の権限)
第8条 最高裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
(大法廷・小法廷)
第9条 最高裁判所は、大法廷又は小法廷で審理及び裁判をする。
 大法廷は、全員の裁判官の、小法廷は、最高裁判所の定める員数の裁判官の合議体とする。但し、小法廷の裁判官の員数は、3人以上でなければならない。
 各合議体の裁判官のうち1人を裁判長とする。
 各合議体では、最高裁判所の定める員数の裁判官が出席すれば、審理及び裁判をすることができる。
(大法廷及び小法廷の審判)
第10条 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
一 当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
二 前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
三 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。
(裁判官の意見の表示)
第11条 裁判書には、各裁判官の意見を表示しなければならない。
(司法行政事務)
第12条 最高裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、最高裁判所長官が、これを総括する。
 裁判官会議は、全員の裁判官でこれを組織し、最高裁判所長官が、その議長となる。
(事務総局)
第13条 最高裁判所の庶務を掌らせるため、最高裁判所に事務総局を置く。
(司法研修所)
第14条 裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため、最高裁判所に司法研修所を置く。
《改正》平16法008
第14条の2 (裁判所職員総合研修所) 裁判所書記官、家庭裁判所調査官その他の裁判官以外の裁判所の職員の研究及び修養に関する事務を取り扱わせるため、最高裁判所に裁判所職員総合研修所を置く。
《全改》平16法008
《1条削除》平16法008
(最高裁判所図書館)
第14条の3 最高裁判所に国立国会図書館の支部図書館として、最高裁判所図書館を置く。

第3編 下級裁判所

第1章 高等裁判所

(構成)
第15条 各高等裁判所は、高等裁判所長官及び相応な員数の判事でこれを構成する。
(裁判権)
第16条 高等裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
一 地方裁判所の第一審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴
二 第7条第2号の抗告を除いて、地方裁判所及び家庭裁判所の決定及び命令並びに簡易裁判所の刑事に関する決定及び命令に対する抗告
三 刑事に関するものを除いて、地方裁判所の第二審判決及び簡易裁判所の判決に対する上告
四 刑法第77条乃至第79条の罪に係る訴訟の第一審
(その他の権限)
第17条 高等裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
(合議制)
第18条 高等裁判所は、裁判官の合議体でその事件を取り扱う。但し、法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは、その定に従う。
 前項の合議体の裁判官の員数は、3人とし、そのうち1人を裁判長とする。但し、第16条第4号の訴訟については、裁判官の員数は、5人とする。
(裁判官の職務の代行)
第19条 高等裁判所は、裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
 前項の規定により当該高等裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、他の高等裁判所又はその管轄区域内の地方裁判所若しくは家庭裁判所の判事に当該高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
(司法行政事務)
第20条 各高等裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、各高等裁判所長官が、これを総括する。
 各高等裁判所の裁判官会議は、その全員の裁判官でこれを組織し、各高等裁判所長官が、その議長となる。
(事務局)
第21条 各高等裁判所の庶務を掌らせるため、各高等裁判所に事務局を置く。
(支部)
第22条 最高裁判所は、高等裁判所の事務の一部を取り扱わせるため、その高等裁判所の管轄区域内に、高等裁判所の支部を設けることができる。
 最高裁判所は、高等裁判所の支部に勤務する裁判官を定める。

第2章 地方裁判所

(構成)
第23条 各地方裁判所は、相応な員数の判事及び判事補でこれを構成する。
(裁判権)
第24条 地方裁判所は、次の事項について裁判権を有する。
一 第33条第1項第1号の請求以外の請求に係る訴訟(第31条の3第1項第2号の人事訴訟を除く。)及び第33条第1項第1号の請求に係る訴訟のうち不動産に関する訴訟の第一審
二 第16条第4号の罪及び罰金以下の刑に当たる罪以外の罪に係る訴訟の第一審
三 第16条第1号の控訴を除いて、簡易裁判所の判決に対する控訴
四 第7条第2号及び第16条第2号の抗告を除いて、簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告
《改正》平15法109
(その他の権限)
第25条 地方裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限及び他の法律において裁判所の権限に属するものと定められた事項の中で地方裁判所以外の裁判所の権限に属させていない事項についての権限を有する。
(一人制・合議制)
第26条 地方裁判所は、第2項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
 左の事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。但し、法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは、その定に従う。
一 合議体で審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件
二 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(刑法第236条第238条又は第239条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)第1条の2第1項若しくは第2項又は第1条の3の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和5年法律第9号)第2条又は第3条の罪を除く。)に係る事件
三 簡易裁判所の判決に対する控訴事件並びに簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告事件
四 その他他の法律において合議体で審理及び裁判をすべきものと定められた事件
 前項の合議体の裁判官の員数は、3人とし、そのうち一人を裁判長とする。
(判事補の職権の制限)
第27条 判事補は、他の法律に特別の定のある場合を除いて、一人で裁判をすることができない。
 判事補は、同時に2人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。
(裁判官の職務の代行)
第28条 地方裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する高等裁判所は、その管轄区域内の他の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
 前項の規定により当該地方裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、その地方裁判所の所在地を管轄する高等裁判所以外の高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
(司法行政事務)
第29条 最高裁判所は、各地方裁判所の判事のうち一人に各地方裁判所長を命ずる。
 各地方裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、各地方裁判所長が、これを総括する。
 各地方裁判所の裁判官会議は、その全員の判事でこれを組織し、各地方裁判所長が、その議長となる。
(事務局)
第30条 各地方裁判所の庶務を掌らせるため、各地方裁判所に事務局を置く。
(支部・出張所)
第31条 最高裁判所は、地方裁判所の事務の一部を取り扱わせるため、その地方裁判所の管轄区域内に、地方裁判所の支部又は出張所を設けることができる。
 最高裁判所は、地方裁判所の支部に勤務する裁判官を定める。

第3章 家庭裁判所

(構成)
第31条の2 各家庭裁判所は、相応な員数の判事及び判事補でこれを構成する。
(裁判権その他の権限)
第31条の3 家庭裁判所は、次の権限を有する。
一 家事事件手続法(平成23年法律第52号)で定める家庭に関する事件の審判及び調停
二 人事訴訟法(平成15年法律第109号)で定める人事訴訟の第一審の裁判
三 少年法(昭和23年法律第168号)で定める少年の保護事件の審判
《改正》平15法109
《改正》平20法071
《改正》平23法053
 家庭裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
(一人制・合議制)
第31条の4 家庭裁判所は、審判又は裁判を行うときは次項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
《改正》平12法142
 次に掲げる事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。ただし、審判を終局させる決定並びに法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定めがあるときは、その定めに従う。
一 合議体で審判又は審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件
二 他の法律において合議体で審判又は審理及び裁判をすべきものと定められた事件
《追加》平12法142
 前項の合議体の裁判官の員数は、3人とし、そのうち一人を裁判長とする。
《改正》平12法142
(地方裁判所の規定の準用)
第31条の5 第27条乃至第31条の規定は、家庭裁判所にこれを準用する。

第4章 簡易裁判所

(裁判官)
第32条 各簡易裁判所に相応な員数の簡易裁判所判事を置く。
(裁判権)
第33条 簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一 訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
二 罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第186条、第252条若しくは第256条の罪に係る訴訟
《改正》平15法128
《改正》平18法036
《改正》平20法071
 簡易裁判所は、禁錮以上の刑を科することができない。 ただし、 刑法第130条の罪若しくはその未遂罪、 同法第186条の罪、 同法第235条の罪若しくはその未遂罪、 同法第252条第254条若しくは 第256条の罪、 古物営業法(昭和24年法律第108号)第31条から第33条までの罪若しくは 質屋営業法(昭和25年法律第158号)第30条から第32条までの罪に係る事件又はこれらの罪と他の罪とにつき刑法第54条第1項の規定によりこれらの罪の刑をもつて処断すべき事件においては、3年以下の懲役を科することができる。
 簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。
(その他の権限)
第34条 簡易裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
(一人制)
第35条 簡易裁判所は、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
(裁判官の職務の代行)
第36条 簡易裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所の裁判官又はその地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
 前項の規定により当該簡易裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する高等裁判所は、同項に定める裁判官以外のその管轄区域内の簡易裁判所の裁判官又は地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
(司法行政事務)
第37条 各簡易裁判所の司法行政事務は、簡易裁判所の裁判官が、一人のときは、その裁判官が、2人以上のときは、最高裁判所の指名する一人の裁判官がこれを掌理する。
(事務の移転)
第38条 簡易裁判所において特別の事情によりその事務を取り扱うことができないときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所に当該簡易裁判所の事務の全部又は一部を取り扱わせることができる。

第4編 裁判所の職員及び司法修習生

第1章 裁判官

(最高裁判所の裁判官の任免)
第39条 最高裁判所長官は、内閣の指名に基いて、天皇がこれを任命する。
 最高裁判所判事は、内閣でこれを任命する。
 最高裁判所判事の任免は、天皇がこれを認証する。
 最高裁判所長官及び最高裁判所判事の任命は、国民の審査に関する法律の定めるところにより国民の審査に付される。
(下級裁判所の裁判官の任免)
第40条 高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。
 高等裁判所長官の任免は、天皇がこれを認証する。
 第1項の裁判官は、その官に任命された日から10年を経過したときは、その任期を終えるものとし、再任されることができる。
(最高裁判所の裁判官の任命資格)
第41条 最高裁判所の裁判官は、識見の高い、法律の素養のある年齢40年以上の者の中からこれを任命し、そのうち少くとも10人は、10年以上第1号及び第2号に掲げる職の1若しくは2に在つた者又は左の各号に掲げる職の1若しくは2以上に在つてその年数を通算して20年以上になる者でなければならない。
一 高等裁判所長官
二 判事
三 簡易裁判所判事
四 検察官
五 弁護士
六 別に法律で定める大学の法律学の教授又は准教授
《改正》平17法083
 5年以上前項第2号及び第2号に掲げる職の1若しくは2に在つた者又は10年以上同項第1号から第6号までに掲げる職の1若しくは2以上に在つた者が判事補、裁判所調査官、最高裁判所事務総長、裁判所事務官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、法務省の事務次官、法務事務官又は法務教官の職に在つたときは、その在職は、同項の規定の適用については、これを同項第3号から第6号までに掲げる職の在職とみなす。
《改正》平16法008
 前2項の規定の適用については、第1項第3号乃至第5号及び前項に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
 3年以上第1項第6号の大学の法律学の教授又は准教授の職に在つた者が簡易裁判所判事、検察官又は弁護士の職に就いた場合においては、その簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。
《改正》平17法083
(高等裁判所長官及び判事の任命資格)
第42条 高等裁判所長官及び判事は、次の各号に掲げる職の1又は2以上に在つてその年数を通算して10年以上になる者の中からこれを任命する。
一 判事補
二 簡易裁判所判事
三 検察官
四 弁護士
五 裁判所調査官、司法研修所教官又は裁判所職員総合研修所教官
六 前条第1項第6号の大学の法律学の教授又は准教授
《改正》平16法008
《改正》平17法083
 前項の規定の適用については、3年以上同項各号に掲げる職の1又は2以上に在つた者が裁判所事務官、法務事務官又は法務教官の職に在つたときは、その在職は、これを同項各号に掲げる職の在職とみなす。
 前2項の規定の適用については、第1項第2号乃至第5号及び前項に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
 3年以上前条第1項第6号の大学の法律学の教授又は准教授の職に在つた者が簡易裁判所判事、検察官又は弁護士の職に就いた場合においては、その簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。司法修習生の修習を終えないで簡易裁判所判事又は検察官に任命された者の第66条の試験に合格した後の簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数についても、同様とする。
《改正》平17法083
(判事補の任命資格)
第43条 判事補は、司法修習生の修習を終えた者の中からこれを任命する。
(簡易裁判所判事の任命資格)
第44条 簡易裁判所判事は、高等裁判所長官若しくは判事の職に在つた者又は次の各号に掲げる職の1若しくは2以上に在つてその年数を通算して3年以上になる者の中からこれを任命する。
一 判事補
二 検察官
三 弁護士
四 裁判所調査官、裁判所事務官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、法務事務官又は法務教官
五 第41条第1項第6号の大学の法律学の教授又は准教授
《改正》平16法008
《改正》平17法083
 前項の規定の適用については、同項第2号乃至第4号に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
 司法修習生の修習を終えないで検察官に任命された者の第66条の試験に合格した後の検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。
(簡易裁判所判事の選考任命)
第45条 多年司法事務にたずさわり、その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者は、前条第1項に掲げる者に該当しないときでも、簡易裁判所判事選考委員会の選考を経て、簡易裁判所判事に任命されることができる。
 簡易裁判所判事選考委員会に関する規程は、最高裁判所がこれを定める。
(任命の欠格事由)
第46条 他の法律の定めるところにより一般の官吏に任命されることができない者の外、左の各号の一に該当する者は、これを裁判官に任命することができない。
一 禁錮以上の刑に処せられた者
二 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者
(補職)
第47条 下級裁判所の裁判官の職は、最高裁判所がこれを補する。
(身分の保障)
第48条 裁判官は、公の弾劾又は国民の審査に関する法律による場合及び別に法律で定めるところにより心身の故障のために職務を執ることができないと裁判された場合を除いては、その意思に反して、免官、転官、転所、職務の停止又は報酬の減額をされることはない。
(懲戒)
第49条 裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位を辱める行状があつたときは、別に法律で定めるところにより裁判によつて懲戒される。
(定年)
第50条 最高裁判所の裁判官は、年齢70年、高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、年齢65年、簡易裁判所の裁判官は、年齢70年に達した時に退官する。
(報酬)
第51条 裁判官の受ける報酬については、別に法律でこれを定める。
(政治運動等の禁止)
第52条 裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。
一 国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二 最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること。
三 商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。

第2章 裁判官以外の裁判所の職員

(最高裁判所事務総長)
第53条 最高裁判所に最高裁判所事務総長一人を置く。
 最高裁判所事務総長は、最高裁判所長官の監督を受けて、最高裁判所の事務総局の事務を掌理し、事務総局の職員を指揮監督する。
(最高裁判所の裁判官の秘書官)
第54条 最高裁判所に最高裁判所長官秘書官一人及び最高裁判所判事秘書官14人を置く。
 最高裁判所長官秘書官は、最高裁判所長官の、最高裁判所判事秘書官は、最高裁判所判事の命を受けて、機密に関する事務を掌る。
(司法研修所教官)
第55条 最高裁判所に司法研修所教官を置く。
 司法研修所教官は、上司の指揮を受けて、司法研修所における裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習の指導をつかさどる。
《改正》平16法008
(司法研修所長)
第56条 最高裁判所に司法研修所長を置き、司法研修所教官の中から、最高裁判所が、これを補する。
 司法研修所長は、最高裁判所長官の監督を受けて、司法研修所の事務を掌理し、司法研修所の職位を指揮監督する。
(裁判所職員総合研修所教官)
第56条の2 最高裁判所に裁判所職員総合研修所教官を置く。
《改正》平16法008
 裁判所職員総合研修所教官は、上司の指揮を受けて、裁判所職員総合研修所における裁判所書記官、家庭裁判所調査官その他の裁判官以外の裁判所の職員の研究及び修養の指導をつかさどる。
《改正》平16法008
(裁判所職員総合研修所長)
第56条の3 最高裁判所に裁判所職員総合研修所長を置き、裁判所職員総合研修所教官の中から、最高裁判所が、これを補する。
《改正》平16法008
 裁判所職員総合研修所長は、最高裁判所長官の監督を受けて、裁判所職員総合研修所の事務を掌理し、裁判所職員総合研修所の職員を指揮監督する。
《改正》平16法008
《2条削除》平16法008
(最高裁判所図書館長)
第56条の4 最高裁判所に最高裁判所図書館長1人を置き、裁判所の職員の中からこれを命ずる。
 最高裁判所図書館長は、最高裁判所長官の監督を受けて最高裁判所図書館の事務を掌理し、最高裁判所図書館の職員を指揮監督する。
 前2項の規定は、国立国会図書館法の規定の適用を妨げない。
(高等裁判所長官秘書官)
第56条の5 各高等裁判所に高等裁判所長官秘書官各1人を置く。
 高等裁判所長官秘書官は、高等裁判所長官の命を受けて、機密に関する事務をつかさどる。
《改正》平16法008
(裁判所調査官)
第57条 最高裁判所、各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置く。
 裁判所調査官は、裁判官の命を受けて、事件(地方裁判所においては、知的財産又は租税に関する事件に限る。)の審理及び裁判に関して必要な調査その他他の法律において定める事務をつかさどる。
《改正》平16法120
(裁判所事務官)
第58条 各裁判所に裁判所事務官を置く。
 裁判所事務官は、上司の命を受けて、裁判所の事務を掌る。
(事務局長)
第59条 各高等裁判所、各地方裁判所及び各家庭裁判所に事務局長を置き、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを補する。
 各高等裁判所の事務局長は、各高等裁判所長官の、各地方裁判所の事務局長は、各地方裁判所長の、各家庭裁判所の事務局長は、各家庭裁判所長の監督を受けて、事務局の事務を掌理し、事務局の職員を指揮監督する。
(裁判所書記官)
第60条 各裁判所に裁判所書記官を置く。
 裁判所書記官は、裁判所の事件に関する記録その他の書類の作成及び保管その他他の法律において定める事務を掌る。
 裁判所書記官は、前項の事務を掌る外、裁判所の事件に関し、裁判官の命を受けて、裁判官の行なう法令及び判例の調査その他必要な事項の調査を補助する。
 裁判所書記官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
 裁判所書記官は、口述の書取その他書類の作成又は変更に関して裁判官の命令を受けた場合において、その作成又は変更を正当でないと認めるときは、自己の意見を書き添えることができる。
(裁判所速記官)
第60条の2 各裁判所に裁判所速記官を置く。
 裁判所速記官は、裁判所の事件に関する速記及びこれに関する事務を掌る。
 裁判所速記官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
《1条削除》平16法008
(裁判所技官)
第61条 各裁判所に裁判所技官を置く。
 裁判所技官は、上司の命を受けて、技術を掌る。
(家庭裁判所調査官)
第61条の2 各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置く。
《改正》平15法109
 家庭裁判所調査官は、各家庭裁判所においては、第31条の3第1項第1号の審判及び調停、同項第2号の裁判(人事訴訟法第32条第1項の附帯処分についての裁判及び同条第3項の親権者の指定についての裁判(以下この項において「附帯処分等の裁判」という。)に限る。)並びに第31条の3第1項第3号の審判に必要な調査その他他の法律において定める事務を掌り、各高等裁判所においては、同項第1号の審判に係る抗告審の審理及び附帯処分等の裁判に係る控訴審の審理に必要な調査その他他の法律において定める事務を掌る。
《全改》平15法109
《改正》平25法048
 最高裁判所は、家庭裁判所調査官の中から、首席家庭裁判所調査官を命じ、調査事務の監督、関係行政機関その他の機関との連絡調整等の事務を掌らせることができる。
 家庭裁判所調査官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
(家庭裁判所調査官補)
第61条の3 各家庭裁判所に家庭裁判所調査官補を置く。
 家庭裁判所調査官補は、上司の命を受けて、家庭裁判所調査官の事務を補助する。
(執行官)
第62条 各地方裁判所に執行官を置く。
 執行官に任命されるのに必要な資格に関する事項は、最高裁判所がこれを定める。
 執行官は、他の法律の定めるところにより裁判の執行、裁判所の発する文書の送達その他の事務を行う。
 執行官は、手数料を受けるものとし、その手数料が一定の額に達しないときは、国庫から補助金を受ける。
(廷吏)
第63条 各裁判所に廷吏を置く。
 廷吏は、法廷において裁判官の命ずる事務その他最高裁判所の定める事務を取り扱う。
 各裁判所は、執行官を用いることができないときは、その裁判所の所在地で書類を送達するために、廷吏を用いることができる。
(任免)
第64条 裁判官以外の裁判所の職員の任免は、最高裁判所の定めるところにより最高裁判所、各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所がこれを行う。
(勤務裁判所の指定)
第65条 裁判所調査官、裁判所事務官事務局長たるものを除く。)、裁判所書記官、裁判所速記官、家庭裁判所調査官、家庭裁判所調査官補、執行官及び裁判所技官の勤務する裁判所は、最高裁判所の定めるところにより最高裁判所、各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所がこれを定める。
《改正》平16法008
(裁判官以外の裁判所の職員に関する事項)
第65条の2 裁判官以外の裁判所の職員に関する事項については、この法律に定めるものの外、別に法律でこれを定める。

第3章 司法修習生

(採用)
第66条 司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。
 前項の試験に関する事項は、別に法律でこれを定める。
司法試験法
(修習・試験)
第67条 司法修習生は、少くとも1年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える。
《改正》平10法50
《改正》平14法138
 司法修習生は、その修習期間中、最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければならない。
《改正》平10法50
《改正》平16法163
 前項に定めるもののほか、第1項の修習及び試験に関する事項は、最高裁判所がこれを定める。
《改正》平16法163
(修習資金の貸与等)
第67条の2 最高裁判所は、司法修習生の修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間、司法修習生に対し、その申請により、無利息で、修習資金(司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金をいう。以下この条において同じ。)を貸与するものとする。
《追加》平16法163
 修習資金の額及び返還の期限は、最高裁判所の定めるところによる。
《追加》平16法163
 最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が災害、傷病その他やむを得ない理由により修習資金を返還することが困難となつたときは、その返還の期限を猶予することができる。この場合においては、国の債権の管理等に関する法律(昭和31年法律第114号)第26条の規定は、適用しない。
《追加》平16法163
 最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなつたときは、その修習資金の全部又は一部の返還を免除することができる。
《追加》平16法163
 前各項に定めるもののほか、修習資金の貸与及び返還に関し必要な事項は、最高裁判所がこれを定める。
《追加》平16法163
(罷免)
第68条 最高裁判所は、司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは、その司法修習生を罷免することができる。

第5編 裁判事務の取扱

第1章 法 廷

(開廷の場所)
第69条 法廷は、裁判所又は支部でこれを開く。
 最高裁判所は、必要と認めるときは、前項の規定にかかわらず、他の場所で法廷を開き、又はその指定する他の場所で下級裁判所に法廷を開かせることができる。
(公開停止の手続)
第70条 日本国憲法第82条第2項の規定により対審を公開しないで行うには、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。判決を言い渡すときは、再び公衆を入廷させなければならない。
(法廷の秩序維持)
第71条 法廷における秩序の維持は、裁判長又は開廷をした一人の裁判官がこれを行う。
 裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における裁判所の職務の執行を妨げ、又は不当な行状をする者に対し、退廷を命じ、その他法廷における秩序を維持するのに必要な事項を命じ、又は処置を執ることができる。
(警察官の派出要求)
第71条の2 裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における秩序を維持するため必要があると認めるときは、警視総監又は道府県警察本部長に警察官の派出を要求することができる。法廷における秩序を維持するため特に必要があると認めるときは、開廷前においてもその要求をすることができる。
 前項の要求により派出された警察官は、法廷における秩序の維持につき、裁判長又は一人の裁判官の指揮を受ける。
(法廷外における処分)
第72条 裁判所が他の法律の定めるところにより法廷外の場所で職務を行う場合において、裁判長又は一人の裁判官は、裁判所の職務の執行を妨げる者に対し、退去を命じ、その他必要な事項を命じ、又は処置を執ることができる。
 前条の規定は、前項の場合にこれを準用する。
 前2項に規定する裁判長の権限は、裁判官が他の法律の定めるところにより法廷外の場所で職務を行う場合において、その裁判官もこれを有する。
(審判妨害罪)
第73条 第71条又は前条の規定による命令に違反して裁判所又は裁判官の職務の執行を妨げた者は、これを1年以下の懲役若しくは禁錮又は千円以下の罰金に処する。

第2章 裁判所の用語

(裁判所の用語)
第74条 裁判所では、日本語を用いる。

第3章 裁判の評議

(評議の秘密)
第75条 合議体でする裁判の評議は、これを公行しない。但し、司法修習生の傍聴を許すことができる。
 評議は、裁判長が、これを開き、且つこれを整理する。その評議の経過並びに各裁判官の意見及びその多少の数については、この法律に特別の定がない限り、秘密を守らなければならない。
(意見を述べる義務)
第76条 裁判官は、評議において、その意見を述べなければならない。
(評決)
第77条 裁判は、最高裁判所の裁判について最高裁判所が特別の定をした場合を除いて、過半数の意見による。
 過半数の意見によつて裁判をする場合において、左の事項について意見が三説以上に分れ、その説が各〻過半数にならないときは、裁判は、左の意見による。
一 数額については、過半数になるまで最も多額の意見の数を順次少額の意見の数に加え、その中で最も少額の意見
二 刑事については、過半数になるまで被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加え、その中で最も利益な意見
(補充裁判官)
第78条 合議体の審理が長時日にわたることの予見される場合においては、補充の裁判官が審理に立ち会い、その審理中に合議体の裁判官が審理に関与することができなくなつた場合において、あらかじめ定める順序に従い、これに代つて、その合議体に加わり審理及び裁判をすることができる。但し、補充の裁判官の員数は、合議体の裁判官の員数を越えることができない。

第4章 裁判所の共助

(裁判所の共助)
第79条 裁判所は、裁判事務について、互に必要な補助をする。

第6編 司法行政

(司法行政の監督)
第80条 司法行政の監督権は、左の各号の定めるところによりこれを行う。
一 最高裁判所は、最高裁判所の職員並びに下級裁判所及びその職員を監督する。
二 各高等裁判所は、その高等裁判所の職員並びに管轄区域内の下級裁判所及びその職員を監督する。
三 各地方裁判所は、その地方裁判所の職員並びに管轄区域内の簡易裁判所及びその職員を監督する。
四 各家庭裁判所は、その家庭裁判所の職員を監督する。
五 第37条に規定する簡易裁判所の裁判官は、その簡易裁判所の裁判官以外の職員を監督する。
(監督権と裁判権との関係)
第81条 前条の監督権は、裁判官の裁判権に影響を及ぼし、又はこれを制限することはない。
(事務の取扱方法に対する不服)
第82条 裁判所の事務の取扱方法に対して申し立てられた不服は、第80条の監督権によりこれを処分する。

第7編 裁判所の経費

(裁判所の経費)
第83条 裁判所の経費は、独立して、国の予算にこれを計上しなければならない。
 前項の経費中には、予備金を設けることを要する。

附則(抄)

 第67条の2の規定は、平成23年10月31日までの間は、適用しない。この場合において、第67条第2項中「最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければならない」とあるのは「国庫から一定額の給与を受ける。ただし、修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間を超える部分については、この限りでない」と、同条第3項中「前項に定めるもののほか、第1項」とあるのは「第1項」とする。
《全改》平22法064
《3項削除》平22法064
 第67条の2第1項の修習資金の貸与については、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律(平成14年法律第139号)附則第2条の規定による法曹の養成に関する制度についての検討において、司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から、法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ、検討が行われるべきものとする。
《追加》平24法054