| 第1章 | 控 訴 | (第281条〜第310条) |
| 第2章 | 上 告 | (第311条〜第327条) |
| 第3章 | 抗 告 | (第328条〜第337条) |
第281条 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
2 第11条第2項及び第3項の規定は、前項の合意について準用する。
第282条 訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立して控訴をすることができない。
第283条 終局判決前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。ただし、不服を申し立てることができない裁判及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。
第284条 控訴をする権利は、放棄することができる。
第285条 控訴は、判決書又は
第254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない。ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。
第286条 控訴の提起は、控訴状を第1審裁判所に提出してしなければならない。
2 控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.当事者及び法定代理人
2.第1審判決の表示及びその判決に対して控訴をする旨
第287条 控訴が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、第1審裁判所は、決定で、控訴を却下しなければならない。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第288条 第137条の規定は、控訴状が
第286条第2項の規定に違反する場合及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を納付しない場合について準用する。
第289条 控訴状は、被控訴人に送達しなければならない。
2 第137条の規定は、控訴状の送達をすることができない場合(控訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
第290条 控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。
第291条 控訴裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて控訴人に命じた場合において、その予納がないときは、決定で、控訴を却下することができる。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第292条 控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
第293条 被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。
2 附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。
3 附帯控訴については、控訴に関する規定による。ただし、附帯控訴の提起は、附帯控訴状を控訴裁判所に提出してすることができる。
第294条 控訴裁判所は、第1審判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
第295条 仮執行に関する控訴審の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、
前条の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第296条 口頭弁論は、当事者が第一審判決の変更を求める限度においてのみ、これをする。
2 当事者は、第一審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。
第297条 前編第1章から第7章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第269条の規定は、この限りでない。
第298条 第一審においてした訴訟行為は、控訴審においてもその効力を有する。
2 第167条の規定は、第一審において準備的口頭弁論を終了し、又は弁論準備手続を終結した事件につき控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について、
第178条の規定は、第一審において書面による準備手続を終結した事件につき同条の陳述又は確認がされた場合において控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について準用する。
第299条 控訴審においては、当事者は、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することができない。ただし、専属管轄(当事者が
第11条の規定により合意で定めたものを除く。)については、この限りでない。
2 前項の第一審裁判所が
第6条第1項各号に定める裁判所である場合において、当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。
第300条 控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。
2 相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。
3 前2項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。
第301条 裁判長は、当事者の意見を聴いて、攻撃若しくは防御の方法の提出、請求若しくは請求の原因の変更、反訴の提起又は選定者に係る請求の追加をすべき期間を定めることができる。
2 前項の規定により定められた期間の経過後に同項に規定する訴訟行為をする当事者は、裁判所に対し、その期間内にこれをすることができなかった理由を説明しなければならない。
第302条 控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。
2 第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。
第303条 控訴裁判所は、
前条第1項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の10倍以下の金銭の納付を命ずることができる。
2 前項の規定による裁判は、判決の主文に掲げなければならない。
3 第1項の規定による裁判は、本案判決を変更する判決の言渡しにより、その効力を失う。
4 上告裁判所は、上告を棄却する場合においても、第1項の規定による裁判を変更することができる。
5 第189条の規定は、第1項の規定による裁判について準用する。
第304条 第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。
第305条 控訴裁判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。
第306条 第一審の判決の手続が法律に違反したときは、控訴裁判所は、第一審判決を取り消さなければならない。
第307条 控訴裁判所は、訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この眼りでない。
第308条 前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。
2 第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻したときは、その訴訟手続は、これによって取り消されたものとみなす。
第309条 控訴裁判所は、事件が管轄違いであることを理由として第一審判決を取り消すときは、判決で、事件を管轄裁判所に移送しなければならない。
第310条 控訴裁判所は、金銭の支払の請求(
第259条第2項の請求を除く。)に関する判決については、申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。ただし、控訴裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。
第310条の2 第6条第1項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、5人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、
第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。
第311条 上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
2 第281条第1項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
第312条 上告は、判決に
憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
2 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第4号に掲げる事由については、第34条第2項(第59条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
1.法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
2.法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
3.専属管轄に関する規定に違反したこと(第6条第1項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
4.法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
5.口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
6.判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
3 高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。
第313条 前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。
第314条 上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。
第315条 上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。
2 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。
第316条 次の各号に該当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。
1.上告が不適法でその不備を補正することができないとき。
2.
前条第1項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第2項の規定に違反しているとき。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第317条 前条第1項各号に掲げる場合には、上告裁判所は、決定で、上告を却下することができる。
2 上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに
第312条第1項及び第2項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。
第318条 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。
2 前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、
第312条第1項及び第2項に規定する事由を理由とすることができない。
3 第1項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。
4 第1項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。この場合においては、
第320条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。
第319条 上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。
第320条 上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。
第321条 原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。
2 第311条第2項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。
第322条 前2条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
第323条 上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
第324条 上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。
第325条 第312条第1項又は第2項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、
次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。
2 上告裁判所である最高裁判所は、
第312条第1項又は第2項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、
次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。
3 前2項の規定により差戻し又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。
4 原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。
第326条 次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。
1.確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
2.事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。
第327条 高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。
2 前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、
第321条第1項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(
第311条第2項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。
第328条 口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令に対しては、抗告をすることができる。
2 決定又は命令により裁判をすることができない事項について決定又は命令がされたときは、これに対して抗告をすることができる。
第329条 受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、受訴裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が受訴裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
2 抗告は、前項の申立てについての裁判に対してすることができる。
3 最高裁判所又は高等裁判所が受訴裁判所である場合における第1項の規定の適用については、同項ただし書中「受訴裁判所」とあるのは、「地方裁判所」とする。
第330条 抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる。
第331条 抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、
第1章の規定を準用する。ただし、
前条の抗告及びこれに関する訴訟手続には、
前章の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
第332条 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。
第333条 原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。
第334条 抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。
2 抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。
第335条 抗告裁判所は、抗告について口頭弁論をしない場合には、抗告人その他の利害関係人を審尋することができる。
第336条 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない。
3 第1項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、
第327条第1項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに
第334条第2項の規定を準用する。
第337条 高等裁判所の決定及び命令(
第330条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、
前条第1項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
2 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。
3 前項の申立てにおいては、
前条第1項に規定する事由を理由とすることはできない。
4 第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告があったものとみなす。
5 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。
6 第313条、
第315条及び
前条第2項の規定は第2項の申立てについて、
第318条第3項の規定は第2項の規定による許可をする場合について、同条第4項後段及び
前条第3項の規定は第2項の規定による許可があった場合について準用する。
第338条 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
1.法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
2.法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
3.法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
4.判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
5.刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
6.判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
7.証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
8.判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
9.判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
10.不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
2 前項第4号から第7号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。
3 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。
第339条 判決の基本となる裁判について
前条第1項に規定する事由がある場合(同項第4号から第7号までに掲げる事由がある場合にあっては、同条第2項に規定する場合に限る。)には、その裁判に対し独立した不服申立ての方法を定めているときにおいても、その事由を判決に対する再審の理由とすることができる。
第340条 再審の訴えは、不服の申立てに係る判決をした裁判所の管轄に専属する。
2 審級を異にする裁判所が同一の事件についてした判決に対する再審の訴えは、上級の裁判所が併せて管轄する。
第341条 再審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、各審級における訴訟手続に関する規定を準用する。
第342条 再審の訴えは、当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から30日の不変期間内に提起しなければならない。
2 判決が確定した日(再審の事由が判決の確定した後に生じた場合にあっては、その事由が発生した日)から5年を経過したときは、再審の訴えを提起することができない。
3 前2項の規定は、
第338条第1項第3号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項第10号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、適用しない。
第343条 再審の訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.当事者及び法定代理人
2.不服の申立てに係る判決の表示及びその判決に対して再審を求める旨
3.不服の理由
第344条 再審の訴えを提起した当事者は、不服の理由を変更することができる。
第345条 裁判所は、再審の訴えが不適法である場合には、決定で、これを却下しなければならない。
2 裁判所は、再審の事由がない場合には、決定で、再審の請求を棄却しなければならない。
3 前項の決定が確定したときは、同一の事由を不服の理由として、更に再審の訴えを提起することができない。
第346条 裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。
2 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方を審尋しなければならない。
第347条 第345条第1項及び第2項並びに
前条第1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第348条 裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。
2 裁判所は、前項の場合において、判決を正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。
3 裁判所は、前項の場合を除き、判決を取り消した上、更に裁判をしなければならない。
第349条 即時抗告をもって不服を申し立てることができる決定又は命令で確定したものに対しては、再審の申立てをすることができる。
第350条 手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。
2 手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。
第351条 手形訴訟においては、反訴を提起することができない。
第352条 手形訴訟においては、証拠調べは、書証に限りすることができる。
2 文書の提出の命令又は送付の嘱託は、することができない。対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える物件の提出の命令又は送付の嘱託についても、同様とする。
3 文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。
4 証拠調べの嘱託は、することができない。
第186条の規定による調査の嘱託についても、同様とする。
5 前各項の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
第353条 原告は、口頭弁論の終結に至るまで、被告の承諾を要しないで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
2 訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。
3 前項の場合には、裁判所は、直ちに、訴訟が通常の手続に移行した旨を記載した書面を被告に送付しなければならない。ただし、第1項の申述が被告の出頭した期日において口頭でされたものであるときは、その送付をすることを要しない。
4 第2項の場合には、手形訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。
第354条 裁判所は、被告が口頭弁論において原告が主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合には、
前条第3項の規定による書面の送付前であっても、口頭弁論を終結することができる。
第355条 請求の全部又は一部が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであるときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えの全部又は一部を却下することができる。
2 前項の場合において、原告が判決書の送達を受けた日から2週間以内に同項の請求について通常の手続により訴えを提起したときは、
第147条の規定の適用については、その訴えの提起は、前の訴えの提起の時にしたものとみなす。
第356条 手形訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。ただし、
前条第1項の判決を除き、訴えを却下した判決に対しては、この限りでない。
第357条 手形訴訟の終局判決に対しては、訴えを却下した判決を除き、判決書又は
第254条第2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
第358条 異議を申し立てる権利は、その申立て前に限り、放棄することができる。
第359条 異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。
第360条 異議は、通常の手続による第一審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
2 異議の取下げは、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。
第361条 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。
第362条 前条の規定によってすべき判決が手形訴訟の判決と符合するときは、裁判所は、手形訴訟の判決を認可しなければならない。ただし、手形訴訟の判決の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。
2 前項の規定により手形訴訟の判決を認可する場合を除き、
前条の規定によってすべき判決においては、手形訴訟の判決を取り消さなければならない。
第363条 異議を却下し、又は手形訴訟においてした訴訟費用の負担の裁判を認可する場合には、裁判所は、異議の申立てがあった後の訴訟費用の負担について裁判をしなければならない。
2 第258条第4項の規定は、手形訴訟の判決に対し適法な異議の申立てがあった場合について準用する。
第364条 控訴裁判所は、異議を不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。
第365条 第275条第2項後段の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、同項前段の申立ての際にしなければならない。
第366条 第395条又は第398条第1項(第402条第2項において準用する場合を含む。)の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、支払督促の申立ての際にしなければならない。
2 第391条第1項の規定による仮執行の宣言があったときは、前項の申述は、なかったものとみなす。
第367条 小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、小切手訴訟による審理及び裁判を求めることができる。
第368条 簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
2 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
3 前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。
第369条 少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
第370条 少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
2 当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。
第371条 証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。
第372条 証人の尋問は、宣誓をさせないですることができる。
2 証人又は当事者本人の尋問は、裁判官が相当と認める順序でする。
3 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、証人を尋問することができる。
第373条 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
2 訴訟は、前項の申込があった時に、通常の手続に移行する。
3 次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。
1.
第368条第1項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき。
2.
第368条第3項の規定によってすべき届出を相当の期間を定めて命じた場合において、その届出がないとき。
3.公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないとき。
4.少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認めるとき。
4 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
5 訴訟が通常の手続に移行したときは、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。
第374条 判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。
2 前項の場合には、判決の言渡しは、判決書の原本に基づかないですることができる。この場合においては、
第254条第2項及び
第255条の規定を準用する。
第375条 裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、判決の言渡しの日から3年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。
2 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。
3 前2項の規定による定めに関する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第376条 請求を認容する判決については、裁判所は、職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。
第377条 少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
第378条 少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は
第254条第2項(
第374条第2項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
第379条 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。
第380条 第378条第2項において準用する
第359条又は
前条第1項の規定によってした終局判決に対しては、控訴をすることができない。
2 第327条の規定は、前項の終局判決について準用する。
第381条 少額訴訟による審理及び裁判を求めた者が
第368条第3項の回数について虚偽の届出をしたときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3 第189条の規定は、第1項の規定による過料の裁判について準用する。
第382条 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。
第383条 支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。
2 次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。
1.事務所又は営業所を有する者に対する請求でその事務所又は営業所における業務に関するもの | | 当該事務所又は営業所の所在地 |
2.手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する請求 | | 手形又は小切手の支払地 |
第384条 支払督促の申立てには、その性賃に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。
第385条 支払督促の申立てが
第382条若しくは
第383条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。
2 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
3 前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。
4 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第386条 支払督促は、債務者を審尋しないで発する。
2 債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。
第387条 支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。
第388条 支払督促は、債務者に送達しなければならない。
2 支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。
3 債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所若しくは事務所又は就業場所がないため、支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。この場合において、債権者が通知を受けた日から2月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。
第389条 第74条第1項及び第2項の規定は、支払督促について準用する。
2 仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する
第74条第1項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。
第390条 仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。
第391条 債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。
2 仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記載をした支払督促を送付することをもって、送達に代えることができる。
3 第385条第2項及び第3項の規定は、第1項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。
4 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第392条 債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。
第393条 仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から2週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。
第394条 簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第395条 適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。
第396条 仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。
第397条 電子情報処理組織を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所(以下この章において「指定簡易裁判所」という。)の裁判所書記官に対しては、
第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いて支払督促の申立てをすることができる。
第398条 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、当該支払督促の申立ての時に、
第383条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するもの若しくは前条の別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
2 前項の場合において、同項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所が二以上あるときは、督促異議に係る請求については、これらの裁判所中に
第383条第1項に規定する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、その裁判所がない場合には同条第2項第1号に定める地を管轄する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
3 前項の規定にかかわらず、債権者が、最高裁判所規則で定めるところにより、第1項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所のうち、一の簡易裁判所又は地方裁判所を指定したときは、その裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
第399条 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関する指定簡易裁判所の裁判所書記官の処分の告知のうち、当該処分の告知に関するこの法律その他の法令の規定により書面等をもってするものとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いてすることができる。
2 第132条の10第2項から第4項までの規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする処分の告知について準用する。
3 前項において準用する
第132条の10第3項の規定にかかわらず、第1項の規定による処分の告知を受けるべき債権者の同意があるときは、当該処分の告知は、裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該処分に係る情報が最高裁判所規則で定めるところにより記録され、かつ、その記録に関する通知が当該債権者に対して発せられた時に、当該債権者に到達したものとみなす。
第400条 指定簡易裁判所の裁判所書記官は、
第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続に関し、この法律その他の法令の規定により裁判所書記官が書面等の作成等(作成又は保管をいう。以下この条及び次条第1項において同じ。)をすることとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、書面等の作成等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面等に係る電磁的記録の作成等をすることができる。
2 第132条の10第2項及び第4項の規定は、前項の規定により指定簡易裁判所の裁判所書記官がする電磁的記録の作成等について準用する。
第401条 督促手続に係る訴訟記録のうち、
第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた申立て等に係る部分又は前条第1項の規定により電磁的記録の作成等がされた部分(以下この条において「電磁的記録部分」と総称する。)について、
第91条第1項又は第3項の規定による訴訟記録の閲覧等の請求があったときは、指定簡易裁判所の裁判所書記官は、当該指定簡易裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。電磁的記録の作成等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。
2 第132条の10第1項本文の規定により電子情報処理組織を用いてされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、
第398条の規定により訴えの提起があったものとみなされる裁判所は、電磁的記録部分の内容を書面に出力した上、当該訴訟記録の閲覧等を当該書面をもってするものとする。
第402条 電子情報処理組織(裁判所の使用に係る複数の電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所の裁判所書記官に対しては、
第383条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、最高裁判所規則で定める方式に適合する方式により記載された書面をもって支払督促の申立てをすることができる。
2 第398条の規定は、前項に規定する方式により記載された書面をもってされた支払督促の申立てに係る督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときについて準用する。
第403条 次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第3号から第6号までに掲げる場合に限り、することができる。
1.
第327条第1項(
第380条第2項において準用する場合を含む。
次条において同じ。)の上告又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
2.仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
3.仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
4.手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決又は支払督促の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
5.仮執行の宣言を付した手形訴訟若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
6.
第117条第1項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。
2 前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第404条 第327条第1項の上告の提起、仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起若しくは上告受理の申立て又は仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起があった場合において、訴訟記録が原裁判所に存するときは、その裁判所が、
前条第1項に規定する申立てについての裁判をする。
2 前項の規定は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合について準用する。
第405条 この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
第1条 この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則
第27条の規定は、公布の日から施行する。
第2条 民事訴訟法(明治23年法律第29号)の一部を次のように改正する。
民事訴訟法目録を削り、
題名を次のように改める。
公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律
第1編第1章の章名及び同章第1節の節名を削り、
第1条を次のように改める。
第1条 別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関シテハ其性質ニ反セザル限リ民事訴訟ニ関スル法令ノ規定ヲ準用ス
第1編第1章第2節の節名、第2章の章名、同章第1節から第4節までの節名、第3章の章名、同章第1節から第3節までの節名、第4章の章名及び同章第1節から第5節までの節名を削り、
第2条から第222条までを次のように改める。
第2編から第6編までを次のように改める。
第2編乃至第6編 削除
第223条乃至第763条 削除
第774条第2項第6号中
「第420条第4号乃至第8号」を「民事訴訟法(平成8年法律第109号)第338条第1項第4号乃至第8号」に改める。
第801条第1項第6号中
「第420条第4号乃至第8号」を「民事訴訟法第338条第1項第4号乃至第8号」に改める。
第3条 新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、前条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
第4条 新法の施行の際現に係属している訴訟の管轄及び移送に関しては、管轄裁判所を定める合意及び送達に関する事項並びに附則
第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。
2 新法の施行前にした管轄裁判所を定める合意に関しては、新法
第16条第2項ただし書、
第20条、
第145条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)、
第146条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)及び
第299条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第5条 新法の施行前にした申立てに係る訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める手続に関しては、新法
第71条から
第73条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 新法の施行前に当事者が供託した金銭又は有価証券についての相手方の権利については、新法
第77条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第6条 新法
第94条第2項ただし書の規定は、新法の施行前に旧法第154条第1項に定める方法以外の相当と認める方法による期日の呼出しをした場合には、適用しない。
第7条 新法の施行前に裁判所書記官が書類の送達のために郵便を差し出し、又は執行官にその送達の事務を取り扱わせることとした場合には、当該送達については、なお従前の例による。
2 新法
第104条第3項の規定は、新法の施行後最初にする送達については、適用しない。
3 新法の施行前にした申立てに係る公示送達については、新法
第110条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 新法
第113条の規定は、新法の施行前に掲示を始めた公示送達については、適用しない。
第8条 新法
第117条の規定は、新法の施行前に第一新裁判所における口頭弁論が終結した事件については、適用しない。
第9条 新法
第141条の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。
2 新法
第146条第1項ただし書(新法において準用する場合を含む。)の規定は、管轄裁判所を定める合意に関する事項を除き、新法の施行前に提起された本訴に係る反訴の提起については、適用しない。
第10条 新法
第152条第2項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に口頭弁論の併合が命じられた事件については、適用しない。
第11条 新法の施行の際現に係属している訴訟における攻撃又は防御の方法の提出時期については、新法
第156条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第12条 新法の施行前に提出された準備書面に記載した事実についての相手方が在廷していない口頭弁論における主張については、新法
第161条第3項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条 新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。
第14条 新法の施行前に当事者又は法定代理人に保証金を供託させ、又はその主張の真実であることを宣誓させた場合における疎明の代用については、附則
第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。
第15条 新法
第224条第3項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、当事者が、新法の施行前にした文書(新法
第231条に規定する物件を含む。以下この条において同じ。)の提出の命令又は検証の目的の提示の命令に従わない場合及び提出又は提示の義務がある文書又は検証の目的を新法の施行前に使用することができないようにした場合には、適用しない。
第16条 新法
第248条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件、第二審である地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。
第17条 次に掲げる場合には、訴えの取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げ(以下この条において「訴えの取下げ等」という。)に相手方が同意したものとみなすための期間については、新法
第261条第5項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
1.訴えの取下げ等が書面でされた場合において、新法の施行前にその書面が相手方に送達されたとき。
2.新法の施行前の相手方が出頭した口頭弁論の期日において訴えの取下げ等が口頭でされたとき。
3.訴えの取下げ等が口頭弁論の期日において口頭でされた場合(その期日に相手方が出頭した場合を除く。)において、新法の施行前にその期日の調書の謄本が相手方に送達されたとき。
第18条 新法の施行前の口頭弁論の期日に当事者双方が出頭せず、又は弁論をしないで退廷した場合には、訴え、控訴若しくは上告の取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げがあったものとみなすための期間については、新法
第263条前段(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 新法
第263条後段(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前の口頭弁論の期日における当事者の不出頭又は弁論をしないでした退廷については、適用しない。
第19条 新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴の提起の方式については、新法
第286条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 新法
第287条の規定は、新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。
3 新法
第291条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。
4 新法
第310条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に控訴審の口頭弁論を終結した事件については、適用しない。
第20条 新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新法
第312条及び
第325条の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新法
第317条第2項及び
第318条の規定は、適用しない。
第21条 新法の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告の提起の方式については、新法
第331条本文において準用する新法
第286条第1項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 新法
第331条本文において準用する新法
第287条の規定は、新法の施行前に告知があった決定及び命令に対する抗告については、適用しない。
3 新法の施行の日前5日以内に告知があった決定及び命令については、新法
第337条第6項において準用する新法
第336条第2項の規定にかかわらず、新法の施行の日から5日の不変期間内は、新法
第337条第2項の規定による抗告の許可の申立てをすることができる。
第22条 新法の施行前に再審の訴えの提起又は再審の申立てがあった事件については、新法
第345条から
第348条までの規定(これらの規定を新法において準用する場合を含む。)にかかわらず、なお従前の例による。
第23条 新法の施行前にした支払命令の申立てに係る督促手続に関しては、送達に関する事項及び附則
第21条に定める事項を除き、なお従前の例による。
第24条 新法の施行前にした執行停止の申立て(仮執行の宣言を付した支払命令に関する執行停止の申立てを除く。)に係る裁判については、新法
第398条及び
第399条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第25条 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第26条 附則
第3条から
前条までに規定するもののほか、新法の施行の際現に裁判所に係属している事件の処理に関し必要な事項は、最高裁判新規則で定める。
第27条 新法
第220条第4号に規定する公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度については、行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して行われている検討と並行して、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 前項の措置は、新法の公布後2年を目途として、講ずるものとする。
